【ホラー?ミステリー?】 「予言の島」 感想

 霧久井島――そこは「何も無い」が売りになるほどの小さな島だった。

 かつて一世を風靡した霊能者・宇津木 幽子は、その島を訪れた際に「怨霊がいる」と語り、それから数年後に死亡した。

 ……そして死ぬ数時間前に、ある予言を残していた。

・我が命の絶えて二十年後 彼の島で惨劇が起こらむ

・怨霊の祟りか或いは報い 救いは涙の雨に阻まるる

・海の底から伸び出ずる手 生き血を啜る黒く長き虫

・山肌を這い下りる死の手 影の持つ血に染まりし刃

・翌日の夜明けを待たずに 霊魂六つが冥府へ堕つる

この記事は、澤村 伊智さんの小説:「予言の島」の感想を書いたものとなります

予言の島

 「予言の島」(文庫版)は、角川ホラー文庫から出版された澤村 伊智さんの小説作品です。

 角川ホラー文庫からの出版ですので、ジャンルとしては❝ホラー❞なのですが……。

あらすじ

 90年代に一世を風靡した霊能者・宇津木 幽子。

 彼女は死の直前に予言を残してこの世を去る。

 ――それから二十年後。

 主人公・天宮 淳は友人の慰安旅行のため、二人の友人と共に霧久井島という島を訪れる。

 「何もない」が売りとなるほどの島を選んだ理由は、❝宇津木 幽子の予言を確かめるため❞でもあった。

 淳たちが島を訪れた日は宇津木 幽子が死亡してからちょうど二十年が経ち、予言の当日と予想されていた。

 馬鹿馬鹿しいと思いながらも、島民たちの異様な雰囲気と一癖も二癖もある他の旅行客によって島は徐々に不気味な様相を呈してくる。

 その日の深夜、友人の一人が海の上で死体として発見される。

 そこから次々に襲い来る惨劇は、宇津木 幽子の予言通りに進んでいく。

 これは島に伝わる怨霊の仕業なのか。

 それとも、予言を利用した何者かの犯行なのか。

 初読はミステリー、二度目はホラー。澤村 伊智の新境地を体験できる一冊。

特長

 「予言の島」最大の特長は

初読はミステリー

二度目はホラー

 と、小説自体の印象が大きく変わることです。

 つまり、小説全体に❝トリック❞が仕掛けられています。

 これが最終盤に明かされるのですが、その瞬間にこれまで読んできた一行一句が激変します。

 舞台が「不気味な因習がある島」、「個性的な登場人物」、「霊能者の予言」……と❝古き良きミステリー❞の要素で構成されていることもあって最後の最後まで「ミステリーなのか?ホラーなのか?」と考えてしまい、飽きることなく読み切れると思います。

 特に、『澤村 伊智ファン』は楽しめるでしょう。

 僕自身も澤村先生の作品はいくつか読んできていますし、去年は「恐怖小説キリカ」についての記事も書きました。

 澤村 伊智作品の特徴に「人間の怖さ」みたいなのが毎回あると思うんですよ。「まともに見える人が異常」とか。でも、ちゃんと「怪異も出す作家」だと知っているからこそ「予言の島」はどっちか分からなくなりました。

 人なのか、怪異なのか、誰の仕業なのか……色々考えてしまうと思います。

 他作品を知っていると、こういった面白さも加わりますね。

書籍情報

・発売日:2021/06/15

・著者:澤村 伊智

・レーベル:角川ホラー文庫

・出版社:KADOKAWA

・発行形態:文庫/紙・電子

・ページ数:352p

 

読書レベル☆☆は、短編小説・ライトノベルが無理なく読めれば問題ないくらいのレベルです。※独断と偏見で決めているので気にしなくても大丈夫です

感想

 夏なので「ホラー読みたいな」と思い、読み始めた本でした。

 選んだ理由としては❝澤村 伊智の新作だから❞――です。読んで後悔はしないだろうな、という期待はありました。

 ホラーを期待していたものの全編通してミステリー色が強い作品となっていました。

 ただし、宇津木 幽子という霊能者が作中でも重要な役割を担っていたり、ヒキタの怨霊など「霊はいない。ホラーではない」とも言い切れず、真相を知りたいのですぐに読み終えました。

 全てが明らかになるシーンまでその感覚はあり、明かされた後はホラー色が一気に強くなります。大げさに思われるかもしれませんが……

読んできた一行一句の印象が変わります。

 怖さというのも直接的なものではなく、あとでゾッとする怖さ……というか。

 これ以上書くとネタバレになりそうなので控えます(笑)。

 とにかく、ミステリーとホラーの両方が楽しめる一冊になっていますので興味が湧いた方は是非読んでみて下さい。

 それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。

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うきっコ

 副業としてブログを始めるものの❝177円❞しか得られていない男。

 「文章を書く」「本を読む」のが好きなのでブログは継続中。

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