――古今東西、❝秘宝❞と呼ばれる存在は数あれどそのどれもが伝説上の物であったり、あまりに格が高く存在していても目にすることが出来ないような物であったり……。
日本で有名な物は「三種の神器」ですよね。これはもはや❝秘宝❞と呼ぶのもはばかれますが。
しかし、日本には「三種の神器」以上の存在が眠っているかもしれない事をご存知でしょうか?
それこそが『旧約聖書』にも記されている「契約の箱」です。
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今回はこの「契約の箱」が日本に存在するかもしれない可能性と、その根拠などを紹介していこうと思います!
「契約の箱」とは
そもそも「契約の箱」が何かを説明しておきますね。
「契約の箱」とは、『旧約聖書』に出てくる
❝神から与えられた十の戒律を刻んだ石板❞を収めた箱
です。
神と契約したイスラエルの民は、この箱と共に約束の地である❝カナン❞を目指したとされています。
石板以外にも
「❝マナ❞(空腹を満たすため神が与えたとされる食べ物)を収めた壺」
「❝アロンの杖❞(「モーセの十戒」といえば海を割るシーンが思い浮かぶと思いますが、あの海を割ったのがアロンの杖です)」
が入っていたと言われています。
これらの事から、イスラエルの民にとって「契約の箱」はとても大切だったと分かります。
しかし、紀元前609年頃の聖書の記述を最後に「契約の箱」は歴史から姿を消します。
現在ではエチオピア正教会がこれを保持していると主張していますが、非公開であるためその存在を確認する術はありません。
これらのことから「失われた聖櫃」とも呼ばれます。
「契約の箱」が眠る場所
「契約の箱」が日本にある――という都市伝説の元々の根拠は「日ユ同祖論」ですので、
どうしてイスラエルの人が日本に来たことになってるの?
と不思議に思う方は以前に書いた「日ユ同祖論」の記事を読んでください(この記事ではその辺りの説明は省きます)。
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といった感じで約束の地を目指した古代イスラエルの民はシルクロードを通り、その子孫が日本へ辿り着き「契約の箱」も日本にもたらされたというわけです。
では、日本の❝どこ❞にあるのでしょうか?
剣山
「契約の箱」が隠された場所は四国の「剣山」という説があります。
これは根拠の無いものではなく、かつて高根正教という人が「契約の箱は日本にある」という説を唱え始めたのがきっかけとなります。
高根氏は聖書研究家であり、『旧約聖書』を読み解く研究を行っていました。その結果「日本の剣山にある」という考えにまで辿り着いたのです。
そして、1936年に実際に発掘調査も行われました。
その結果、❝球状の岩❞❝トンネル❞❝大理石のアーチ門❞は発見されたものの、肝心の「契約の箱」を見つけるまでには至りませんでした。
その後も20年に渡って調査は行われましたが、ついに「契約の箱」を発見することはできませんでした。
こうなると「やっぱ無いんじゃん」「ただの変人エピソード」と思われるかもしれません。ですが、面白いのはここからなんですね。
20年近く行われた発掘調査――その間色々な発掘品も見つかるのですが、それらは
全て政府に没収されました。
その後、1952年に元海軍大将の山本英輔という人の手によって発掘作業が再開されます。
が、1964年に剣山周辺が国定公園に指定されたため、それ以降の剣山の調査は行うことができなくなりました。
「なにも見つからないのでこれ以上の発掘調査は断念します」と調査団から言われれば不思議はありませんが、発掘品を政府が没収したうえ周辺を国定公園に指定して調査できなくなった……っていうのはどこか納得できない……それと同時に「もしかして本当に何かあるのでは?」という気持ちも抱いてしまいませんか?
かごめかごめ
都市伝説的なアプローチとして「かごめかごめの歌詞は契約の箱が剣山にあることを示している」というものがあります。
それが
❝鶴と亀がすべった❞
の部分。
「鶴」と「亀」の読み方を変えると「つる」と「き」とも読めます。これで「つるき」→「つるぎ」と繋げていき「剣山」というわけです。
正直これだけだと都市伝説的にも弱いのですが、この歌詞をヘブライ語に訳してもちゃんと意味のある歌になったりして「何かを隠して伝えていく」目的があるとしたら結構おもしろく感じます。
個人的には「かごめかごめ」の都市伝説でも一番好きです。
空海が張った結界
空海(弘法大師)が「契約の箱」と関係あるという都市伝説もあります。
空海は長期の留学僧として唐へと渡り、仏教の勉強をしたことがあります。
これ自体は事実なのですが、ここで空海は仏教以外の知識も多く得たと考えられます。当時の中国大陸といえば流行の最先端でしょうから。
では、何を❝知った❞のか。
あくまでも想像でしかありませんが、「契約の箱」について何かを聞いたのではないでしょうか?
ユダヤ人の祖先はシルクロードを通ってきたはずですし、その最終地点の中国大陸にそのような話が伝わっていてもおかしくありません。
空海はこの時に「契約の箱は更に海を渡り、今は日本にあるんじゃないか?」と考えたとしたら……そう思うような何かを聞かされたとしたら……。
半ば確信に近い感覚で四国の剣山を調べた空海はそこで本当に「契約の箱」を見つけます。
その時の空海はおそらく、喜びではなく恐れや焦りを抱いたはずです。何故なら、「契約の箱」は世界から狙われる宝そのものだったから。
だからこそ、空海は「契約の箱」を守るために結界を張ったのです。
それこそが現在も続く「四国八十八箇所巡礼」です。
剣山の周辺のみではなく、四国全体を❝人が歩くことで完成する❞結界としたなら?
空海は、死後もその効力が発揮できるようなものでなければならないと考えたのでしょう。すべては「契約の箱」のため――ではなく、日本のため。何としても日本国外に持ち出されることがないように。
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88も無限(∞)を意味するとしたら面白いですよね。
日本神話から繋がる都市伝説
では、何故「契約の箱」が剣山にあるのか?
これを説明するには神話の世界にまで遡らなければなりません。
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日本神話に「国生み」というお話があるのをご存知でしょうか?
簡潔に言うとイザナミとイザナギという神様が日本列島を作り上げる話です。
この神話の面白いところは、
❝国生み❞には順番がある
という点です。
(神話で)日本列島を形作るのは、「本州」「四国」「九州」「それ以外の小島等」でこれら全て合わせて日本という国となります。
では、最初に二柱の神に作られたのはどこだと思いますか?
やはり本州でしょうか?
実は、最初に作られたのは「淡路島」です。その次が「四国」で「本州」は最後に作られたとされます。
なぜ「淡路島」なのでしょう?そして、なぜ二番目が「四国」なのでしょう?
……ここに、「契約の箱」が剣山に眠っている理由が隠されているのです。
辿り着いた順番
話は戻りますが、古代イスラエルの民がシルクロードを通りその子孫たちが日本に辿り着いたのが「日ユ同祖論」の根拠でした。
どのようなルートにせよ、海を越えないと日本には来れません。
そしてそれは現在の中国大陸側からとなります。そうすると、彼らは九州の南北どちらかを通る可能性が高いはずです。
はるか昔のことですしルートなんて選べなかったかもしれません。ただ潮の流れに乗った結果、南側を通ったとすれば――。
彼らは四国を目にしたはずです。そして、鳴門の渦潮に乗ってついに島に流れ着きます。
それが「淡路島」です
もう何を言いたいか分かるかもしれませんが、
「日本神話」は古代イスラエル人が創った可能性がある
ということです。
ここまで来れば簡単に想像できるでしょうが、淡路島に漂着したイスラエルの民が次に目指したのは眼前に広がる四国地方だったはず。
長年の目的地だった日本に辿り着き、彼らはようやく「契約の箱」を安置させます。その場所こそが❝剣山❞だったというわけです。
おわり
以上で❝「契約の箱」が日本にある❞都市伝説の紹介を終わります。
僕がこの都市伝説を知った時の率直な感想は
「あるわけねえだろ」
でした(笑)。
しかし、ひとつひとつの説や根拠を知っていくと「あれ?」という感情が湧き、「日ユ同祖論」という別の都市伝説を知ることで「繋がった!」という妙な感動を得たことを覚えています(笑)。
あと、剣山に何かあるんじゃないか?と思わせるものとして都市伝説以外だと、イスラエルの大使も剣山を訪れたことがあるという点です。
パフォーマンス的なものなのか、ガチで信じての行動なのかは分かりませんが、その辺りからもこの都市伝説は面白いと思います。
古代のイスラエルの民が目指した地は日本だったのか?
彼らは本当に「契約の箱」を剣山に隠したのか?
日本神話が古代イスラエルの民によって創られたものだとしたら、日本の神の正体は――
信じるか信じないかは、あなた次第です。
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