10年以上BF(ブラックフェザー)デッキを使っているデュエリストによるBF解説

ゲーム

 10000種類を超え、今なお増え続けている遊戯王OCG

 そのカードの多さから「どんなデッキを使えば良いのか?」という悩む初心者もいるかもしれません。

 この記事では、筆者が10年以上使い続けているBF(ブラックフェザー)デッキを以下のポイントに絞って解説していきます

〇長所と短所

〇戦い方(展開・重視する点・型)

〇歴史

〇今後の展開

 ぜひ、BFデッキを使用する参考にしてください。

 ※新規のBFを解説した記事もありますので、こちらも読んでみて下さい!

 ※現代遊戯王について書いた記事はこちらを参照

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BF(ブラックフェザー)|長所と短所

BF」とは、二種類を除いて全てが「闇属性」「鳥獣族」で統一されたモンスターとなります。

BF-極光のアウロラ」と「BF Tー漆黒のホーク・ジョー」はこれらの特徴から外れます

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 アニメ「遊戯王5D´s」の登場人物クロウ・ホーガンが使用したことで知られています。

 作中では、クロウ初登場時に(遊戯王のアニメでは珍しい)1ターンキルを見せるなど視聴者にも強烈なインパクトを残し、アニメ発のモンスター群・デッキでありながら2009年の世界大会において優勝するなど、その強さを証明しました

長所

 BFは「場にBFが存在していると、手札から特殊召喚できる」という効果があり(全てのBFが持っているわけではありません)これによる連続召喚で場を埋め、次々にシンクロ召喚を連打して制圧するという戦法を得意としています。

 代表的なのが「BFー疾風のゲイル」と「BFー黒槍のブラスト」の2枚です。登場から十数年経過した今でもこの2枚は確実にデッキに投入されます。

黒い旋風」による展開確保が特に強く、これによって様々なレベルのシンクロ召喚を変幻自在に行えます。

 また、「BFー月影のカルート」のように「手札から発動できる」カードが多いのも特徴で、奇襲を仕掛けたりトリッキーな動きができるようになっています。

 闇属性・鳥獣族という属性と種族どちらにも恵まれていて、これらをサポートするカードも無理なくデッキに入れられます

闇の誘惑」「ゴッドバードアタック」などが挙げられます

BFーアーマード・ウィング」は戦闘面では無敵を誇り、戦闘では解決できない盤面では「A BF-驟雨のライキリ」による破壊効果、相手によっては1枚で勝利を決めてしまう「BFーフルアーマード・ウィング」など上級のシンクロモンスターもエース級が揃っています

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短所

 メインデッキに投入されるBFはほとんどが下級モンスターばかりであり、そこからシンクロ召喚に繋げていくことを目的としています。

 なので、シンクロ召喚が出来ない状態になるとそれだけで詰む可能性があるのです

 大体のデッキにも言えますが特殊召喚封じは刺さりますし、「黒い旋風」を破壊されたりモンスター効果の無効化によって後続を出せなくなったりしても劣勢になるでしょう。

 特にBFは「場にBFがいる」ことが重要なため、召喚権を使って出したBFが処理されるだけでも次の1枚が切れなくなります

 また、(現在の)BFには妨害効果を持つモンスターがいないため返しのターンに一気に捲られる可能性が高いです。

DARKWING BLAST」で登場した「BF-雪撃のチヌーク」や「ブラック・ノーブル」の登場によって、ある程度は解決できたといえます。

 それを解決するために妨害もちの汎用モンスターをEXデッキに投入するのですが、そうなると最終的な盤面にBFがほとんどおらず、そもそもEXデッキにBFを入れない方が強いということにもなりかねません

 エース級のシンクロモンスターが揃っていても、以上の理由から現環境でBFのみのデッキで戦うのはかなりキツイといえるでしょう

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BF(ブラックフェザー)デッキ|戦い方

 この項目では、BFの戦い方を以下の3点に絞って解説します

  • 展開
  • 重視する点

 具体的な展開例は長くなるうえバリエーションも多くなるので、あくまで「BFデッキにおけるポイントや注意点」であることは留意してください。

展開

 BFは、いわゆる「展開型」のデッキです。

 そのため、場に出ることによってさまざまな動きを見せます。

 特にシンクロ召喚に特化しており、闇属性であればあらゆるレベルのシンクロモンスターへ繋げることが可能です

基本的にレベル7のシンクロモンスターが出しやすくなっています

例:レベル4「BFー精鋭のゼピュロス」召喚、その後に手札のレベル3「BFー疾風のゲイル(チューナー)」特殊召喚、そのままレベル7のシンクロ

↑のように、とにかくレベル4とレベル3が並びやすいと覚えておいてください。

BFー魔風のボレアース」は、シンクロチューナーであることに加え、デッキのBFを墓地に落とすとそのBFと同レベルになるなど、レベルを自在に変えられるのもBFの大きな特徴です(※あまり使う機会はありませんが、「ABF-神立のオニマル」も似たような効果を持っています)。

 シンクロ召喚に至っては、場・墓地・デッキ・除外ゾーンとあらゆるところから展開が可能となっているうえ、その流れのなかで墓地肥やしも行えます

墓地でのシンクロは、正しくは「BFー大旆のヴァーユ」の効果であるため正規のシンクロ召喚ではありません。

デッキシンクロは「BFー無頼のヴァ―タ」の効果であり、シンクロ先は基本的に「ブラックフェザー・ドラゴン」一択です。

除外ゾーンでのシンクロとは、墓地および除外ゾーンから2体のBFをデッキに戻すことでシンクロ召喚を行う罠カード「BFーツインシャドウ」を指します。

 下級のBFを横に並べることが得意であるため、ランク4のエクシーズモンスターも容易に出せます

 これらのエクシーズ展開は、後述する「」で説明します。

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重視する点

 手札から特殊召喚できるBFは可能な限り場に出すことを心がけましょう

 これはBFデッキを使っていて気付いたことというか、「こうしておけば良かった」という注意点やポイントになります。

 BFデッキで召喚権を使うBFはかなり少なくなっており、基本的には「BFー幻耀のスズリ」くらいです。

 それ以外のBFは「場にBFがいれば手札から特殊召喚が可能」なのですが、こういったBFは惜しみなく出した方が良いと思います。

 デッキのコンセプトや型にもよりますが、相手の(たとえば)ニビルなどを警戒して手札を温存していると展開できなくなることがあります。

 これは「場にBFがいること」が重要なためで、場が空になってしまうと止まることが多かったからです。

 主に「RRーワイズ・ストリクス」の①の効果を「灰流うらら」などで止められた時が最もキツくなります。

手札に「BFー疾風のゲイル」などがいて、「RRーワイズ・ストリクス」の①の効果でデッキから「BFー精鋭のゼピュロス」を持ってきた後に手札のゲイルを特殊召喚しようと考えていても、①の効果を止められると場にはワイズ・ストリクスしか残らないため何もできなくなります。

ワイズ・ストリクスをリンク召喚する前の段階でゲイルを出しておけば、最低でもリンク3に繋げることは可能です(例:ワイズストリクス+ゲイル→幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ)。

すくなくとも場に3体のBFは並べておき、止められても動けるように意識しておくことが大切です。

豆知識:フルアーマード・ウィングを守るテクニック

 BFデッキの切り札となる「BFーフルアーマード・ウィング」は「カードの効果を受けない」という完全耐性持ちですが、戦闘破壊は可能です。

 攻守3000と弱くはありませんが、現代遊戯王でこの数値を超えることは非常に容易であるため、フルアーマード・ウィングが戦闘破壊されることも多々あります。

 これを防ぐテクニックとして、「幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ」または「幻影騎士団サイレントブーツ」などから持ってこれる「幻影霧剣」をフルアーマード・ウィングに使うというものがあります。

幻影霧剣:永続罠
フィールドの効果モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
対象のモンスターは攻撃できず、攻撃対象にならず、効果は無効化される。
そのモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される。
(2):墓地のこのカードを除外し、
自分の墓地の「幻影騎士団」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは、フィールドから離れた場合に除外される。
遊戯王カードwikiより引用

 基本的には相手のモンスター効果を止めるために使われますが、バトルフェイズ前等に(攻撃宣言の後に発動しても攻撃は止まらないため)幻影霧剣をフルアーマード・ウィングに使用します

 こうすると、幻影霧剣の効果をフルアーマードウィングは受けないため「フルアーマード・ウィングの効果は無効化されません」。しかし、「攻撃対象にならない」というのは相手への制約となるため、相手はフルアーマード・ウィングを攻撃対象にできません

 つまり、相手はフルアーマード・ウィングを戦闘で突破できず、フルアーマード・ウィングは効果を発動できるという反則みたいなことができてしまいます

 フルアーマード・ウィング自身の打点上昇は見込めないため、このようなテクニックを駆使してフルアーマード・ウィングを守りましょう。

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 BFデッキにはさまざまな型が存在しています。

 元々はシンクロ召喚が得意な展開系のテーマではありましたが、場に同レベルモンスターを並べやすい点やエクシーズ召喚に特化している「RR」とも相性が良いことから、エクシーズ特化型にすることもできます

ダークウィングブラスト」以前は、このエクシーズ型を使うデュエリストが多かったイメージです。

 また、「幻影騎士団」とも相性が良かったため「幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ」を採用し、「幻影霧剣」による妨害、「幻影騎士団シェード・ブリガンダイン」とレベル4モンスターで「クロノダイバー・リダン」をエクシーズ召喚できるなどさまざまな最終盤面を築くことができます。

RRーワイズ・ストリクス」と「RRーフォース・ストリクス」でデッキから「RUMーファントム・フォース」をセットし、そこから「RRーアルティメット・ファルコン」と「BFーフルアーマード・ウィング」を並べることも可能です。

 以前は「RUMーソウル・シェイブ・フォース」で「真皇竜V.F.D」や「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」を出すことができました。

 そのほか、横に並べることも得意なためリンクモンスターも採用できます

採用するリンクモンスターは「RRーワイズ・ストリクス」以外だと「I:Pマスカレーナ」と「双窮の騎士アストラム」。余裕があれば「トロイメアユニコーン」と「アクセスコード・トーカー」などが挙げられます。

特殊召喚に制約がつくことが多いですが、相手ターンにマスカレーナ効果でワイズ・ストリクスとマスカレーナでアストラムを立てられます。

ダークウィングブラスト」以降のデッキ構築だと、EXデッキがほぼ固定されてしまうので、「どの型のデッキ構築にするか」がまずは重要となってくるでしょう。

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BF(ブラックフェザー)の歴史

 登場してから約15年が経過しようとするBF。

 アニメが終わっても新たなBFが登場し、時代によってその強さを変遷させてきました

 ここからは、BFが辿ってきた栄光と転落の歴史、そして新たな旋風について解説します

インチキ全盛期|世界を制した栄光の時代

 2008年登場時から「BF-疾風のゲイル」「BFー黒槍のブラスト」を携え、翌年には「黒い旋風」を加えたことで一気に環境トップクラスへと躍り出ました。

 アニメのキャラクターが使っていたデッキながら世界大会を制したことで、その実力は本物であることも証明

 その後も新たなBFを加え2年近く環境で戦い続けました。

 この頃はインチキ効果を存分に発揮できた、【BF全盛期】と言えるかもしれません。

強者の宿命|「制限」と環境高速化による「転落」の時代

 遊戯王OCGでは「強いカードは制限される」宿命にあります。

同じカードはデッキに3枚まで入れられますが、2枚までしか入れられないカードを「準制限カード」、1枚しか入れられないカードを「制限カード」と呼びます

入れてはいけないカードとして「禁止カード」というものもあります

年に数回、環境の変化を見て公式から発表されます

 BFもその例に漏れることなく「BF-疾風のゲイル」や「BF-月影のカルート」、デッキの潤滑油でもあった「黒い旋風」などが軒並み制限・準制限に指定されてしまいます。

 これによりBFデッキ自体の戦力が低下したうえ、環境が高速化していく中でどんどんその影をひそめていきます

モンスターの特殊召喚や効果によるデッキサーチ・盤面制圧など、1ターンで決着がつくほどの展開をされる(もしくは、しやすくなる)ことを「高速化」といいます

これにより、罠カードなど発動に時間がかかるカードはそれだけでデッキに入れない理由となっていきました

 それぞれの制限が解除されたところで、もはやBF単体ではどうにもできないほどのインフレ環境となっていたのです

 しかし登場当時の大暴れと世界を獲った経歴から、そのような中でも「BFなら強くて当たり前」と思われることも多く、BFを愛用するデュエリストにとっては歯がゆい時代が長らく続きます。

 この頃も新規のBFは登場していましたが、どれもが初期のBFより見劣りするもので実戦で使えるカードはほとんどありませんでした

 その中で登場した「BF-隠れ蓑のスチーム」と「BF-朧影のゴウフウ」は、BFデッキではそれほど活躍しなかったのに他のデッキで暴れた(活躍した)ことから禁止カードに指定されるなど多くの面で見てもBFデッキは不遇の時代を迎えていました。

BFー隠れ蓑のスチーム」は2023年1月から適応されるリミットレギュレーションから制限カードへと緩和されました!

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「革命」の2018年、「最強初動カード」と「最強の切り札」登場

 BFの時代は完全に終わりを告げ、純粋なファンのみが使い続けるデッキとなっていた2018年――革命が起こります

デュエリストパックーレジェンドデュエリスト編3ー」において新規のBFとそのサポートカードが登場しました。

 特にモンスターカードの

 の3枚はこれまでのBFデッキを大きく変えるものとなっており、現在においても必須のカードとなっています

 中でも「毒風のシムーン」は、デッキから直接「黒い旋風」を場に置くという初動カードとしては申し分のない性能でした

南風のアウステル」も即座にシンクロ召喚を可能にしたり、墓地からでも楔カウンターをばらまくなど既存・新規のBF、更には「ブラックフェザー・ドラゴン」のサポートをこなすなど痒い所に手が届く1枚となっていました。

 そして、現環境でも通用する最強の切り札「BF-フルアーマード・ウィング」を獲得したのです。

 シムーンからの「黒い旋風」、即座にBFの追加召喚――BFが得意な「下級モンスターを場に揃える盤面」をこれまで以上に容易に行えるようになったうえ、種族と属性の関係上「RR」「幻影騎士団」を無理なくデッキに組み込めることから強力な先攻制圧も可能となりました。

 最終盤面にBFがいないという問題は抱えつつも、BFファンは柔軟に型を変え環境で戦っていたのです。

2022年、巻き上がる「新たな旋風」

 そして2022年、公式情報から7月に発売するBOX名が「DARKWING BLAST」であることが発表されました。

もしかすると新規のBFが来るのではないか?」とファンの間でも期待されていたのですが……。

 5月13日、正式に次のBOXでは新規のBFが追加されることが判明しました!

 個人的には3枚も来れば良いなくらいの期待でしたが、いきなりなんと10枚のBF関連のカードが収録されることが判明しお祭り状態でした

 どちらかというと「ブラックフェザー・ドラゴン」とその強化版である「ブラックフェザー・アサルト・ドラゴン」のサポートをBFデッキで行えることがコンセプトのように思いました。

 これまではBFで場に出すことにあまり意味を見いだせなかった「ブラックフェザー・ドラゴン」ですが、今回の強化によってそれを払拭したといえるでしょう。

 新BFの中でも注目されたのが「BF-無頼のヴァータ」で、「ブラックフェザー・ドラゴン」限定ではありますが、「デッキシンクロ」を可能にした新時代を感じさせる1枚としてデュエリストの間に衝撃が走りました

 また、「毒風のシムーン」を越えて最強の初動札となり得る「BF-幻耀のスズリ」などこれまでのようなガッカリBFは1枚もない印象です。

 どれほどの影響を環境に与えるか分かりませんが、新たな旋風がBFに巻き起こるのは確実といえます。

 ※新規のBFについて書いた記事はこちらを参照ください!

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おわりに:好きなデッキを使い続けたい

 BFを使い始めて10年以上経ちますが、色々なデッキを作ったりしようとはあまり思ったことがありません。

 「BFは強い」と言われていた時代も、環境を退いた後も、BF以外を使う気にはなれませんでした。

 理由としてはもちろん「アニメのクロウが好きだから」というのもありますし、それ以上に「遊戯王での勝ち方を教えてくれたデッキだから」というのが大きいです。

 強いカードとはこういうものだ、強い動きとはこういうものだ、そのことごとくをBFから学びました

 今でもBFが弱くなったとは思っていません。

 だとしたら、どうすれば勝てるのか?と何度も何度も考えてしまうし、それが楽しいのです。

 勝ちたいという欲求はあっても、大前提として「好きなデッキで勝ちたい」というのがあります。

 ただ勝ちたいなら環境デッキを握れば良いだけです。

 でも、そうではないんですよね。

 そいつらじゃなくて、こいつらで勝ちたいんだよ!って気持ち。

 それが今なおBFを使い続ける理由です。

 勝利だけをリスペクトするのも良いですが、遊戯王の楽しさはもっと別のところにあると信じています

 できれば、ここまで読んでくれたデュエリストにも、僕にとってのBFみたいな存在があること、これから先そのようなカードと巡り合えることを願い、ターンエンドとします。

 Twitterもやっていますので、良ければフォローしてくれると嬉しいです。

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