25周年を迎えようとする遊戯王OCG。
それだけの歴史があるので、かつて遊んでいても途中で引退した人も多くいるでしょう。
現在は「遊戯王マスターデュエル」なども配信され、多くの人がすぐにデッキを組んでデュエルを楽しめる時代となりました。
「盛り上がっているのは分かるけど、今さら復帰するのは難しそう」
「現代遊戯王ってつまらないんでしょ?」
長期間はなれてしまうとそう考えてしまうのも無理はありません。
この記事は、筆者が現代遊戯王に復帰した際に感じたこと、面白さ・難しさなどを解説したものとなります。
以前遊戯王をしていたプレイヤーの方も、今から始めようとする初心者の方にも参考にしていただければ嬉しいです。
現代遊戯王3つのポイント
以下の3点が、実際にデュエルして感じた「現代遊戯王」の感想です。
- 速い!
- 長い!
- 強い!
昔の遊戯王を知っている人ほどそう感じるはずです。
まずは、1つ1つ理由を解説していきます。
現代遊戯王は「速い」
現代遊戯王は「展開が速い」といえます。
その理由は、盤面が目まぐるしく変わるためです。
たとえば「モンスター効果による特殊召喚」「魔法によるサーチ」などが当たり前のように行われます。
これらの効果によって、場はモンスターが連続で特殊召喚されシンクロ・エクシーズ・ペンデュラム・リンクといったさまざまな召喚方法で更に展開を伸ばしていくのが基本です。
このように展開を繰り返し作り上げられた最終盤面はとても強力で、これを先攻でされてしまうと後攻側が勝つのは非常に難しくなります。
そのため、後攻になった場合はその展開を止める手段をデッキに入れる必要があるのです。
相手ターン中に妨害する手段がなければ勝てない――これが現代遊戯王の大きな特徴だと感じました。
「先攻1ターン目で決着が付くほどの展開をされる」「そのような盤面を簡単に作りやすい」状況はまさにデュエルが高速化しているといえます。
現代遊戯王は「長い」
これは「速い!」から繋がることですが、デッキを回すとなると数多くの手順を踏むことになり、この時間が長いのです。
ものすごい時間をかけて作られるのは、相手を超妨害する盤面ですからデッキによってはターンが変わった瞬間に降参する場合も出てきます。
これだと普通に面白くないですよね。
だからこそ、相手を妨害する手段を用意しておかなければならないのです。
現代遊戯王は「強い」
単純にカード一枚一枚のパワーがケタ外れなものになってます。
攻撃力、守備力といった次元の話ではなく、反則級のカードがモンスター・魔法・罠、種類を問わず揃っている感じです。
個人的にありえないと思ったカードは「ヴァレルロード・S(サヴェージ)・ドラゴン」というシンクロモンスター(しかも制限なしです)。
現代遊戯王は、このレベルのカードがゴロゴロしています。
言い換えれば、こういうカードを入れていなければ相手に完勝されてしまうのです。
現代遊戯王は難しい
ここからは、僕が実際に感じた「現代遊戯王」の難しさを伝えたいと思います。
ただし、前提として『遊戯王はどの時代も難しい』ということは頭に入れておいてください。
現代遊戯王は覚えることが多い
昔はシンプルな分「このカードが来たらこうする」っていうのが分かりやすかったですが、今はもう1枚のカードが持つ重要性が跳ね上がっていて何をすれば良いか分からなくなるというのを感じました。
ただ、これは後述する「楽しさ」にも繋がります。
現代遊戯王は後攻がきつすぎる
現代遊戯王の基本的な戦い方は先攻・後攻かで大きく変わります。
以下が大体の動き方です。
先攻の攻め方:なるべく多くの妨害カードを展開し、相手にターンを渡す
後攻の攻め方:相手が用意した妨害盤面をめくり返す
「妨害盤面といってもリバースカードとかが2枚くらいでしょ?」と、昔のデュエリストなら思うでしょう。
残念ながら、現代遊戯王でそのような場面は事故以外ではほぼ見ることがありません。
まず、リバースカードに代表される罠等はほとんどセットされません(デッキによりますが)し、なんなら罠が一枚も入ってないことも珍しくありません。
「相手のカード発動と効果を無効にし破壊する」
このような効果を持ったカードが相手のフィールドに大抵2、3枚あります。
つまり、「自分のやりたいことを少なくとも2、3回は潰される」ということです。
これをひっくり返すのが本当に難しかったです。
というか、ひっくり返せませんでした。
だからこそ手札誘発系の妨害カード「灰流うらら」などが必須カードであり、なおかつ無制限なのでしょう。
こういった妨害札がなければ成り立たないのが現代遊戯王だと、強く思いました。
現代遊戯王の面白さ
この項目では現代遊戯王の「何が面白いのか?」について解説していきます。
復帰勢として感じた面白さですので、初心者の方には理解しづらい点もあるかもしれません。
そういった場合は「そうなんだ」くらい軽く読んでいただいて問題はありません。
重要なのは、「何度やめても、何回も面白く感じる」要素が遊戯王にはあるということです。
無駄なカードが無くなった
「難しさ」の項目でも書きましたが、現代遊戯王はカード1枚1枚の重要性が跳ね上がっており、1つのプレイングミスが勝敗を決することも多いです。
これは「選択肢が多い」ということでもあり、難しい反面たくさんのことが出来る楽しさにも変えられると感じました。
どのカードもコンボパーツなので、1枚でも止められたら途端に勢いを失ってしまいます。
これに関しては昔から変わりません。
しかし、今は違います。
今は、たとえ止められたとしても展開できる手段があります。
それが「リンク召喚」です。
リンク召喚での展開
これまでの遊戯王というのは、特殊召喚と呼ばれる方法で次々とモンスターを展開していきました。
特殊召喚にも色々あり、現在は以下の方法で行われることがほとんどです。
- 「魔法・罠で特殊召喚する」「融合召喚や儀式召喚する」
- 「シンクロ(S)召喚」
- 「エクシーズ(X)召喚」
- 「ペンデュラム(P)召喚」
- 「リンク(L)召喚」
下へ行くにつれ新しい特殊召喚方法となります。
大昔は本当に特殊召喚する方法が乏しかったのですが、シンクロ召喚以降はかなり緩くなった印象です。
ですが、シンクロ召喚もエクシーズ召喚もペンデュラム召喚も、(一応)縛りがありました。
リンク召喚にはそれがありません(実際はあります)。
リンク召喚とは、「場にいるモンスターを墓地に送ることでエクストラデッキからリンクモンスターを出す」召喚方法です。
場にいるモンスターを、墓地に送る――それだけで特殊召喚できます。
詳しく書いていたら長くなりすぎるのでここでは省きますが、遊戯王をプレイしていた人ならこのヤバさが分かるはずです。
つまり、以下のことが当てはまります。
- どんな場面でもある程度は展開できる
- 無駄に突っ立ているカードが無くなった
これは個人的には感動しました。
デッキ構成の自由度が上がった
カードゲームの宿命ですが、「弱いカード」「使い道のないカード」というのは存在します。
ファンデッキを作る際はロマンに変わりますが、ガチで勝ちたい人にとって弱いカードは弱いカードでしかありません。
しかし、今ならどんなカードにも意味を持たせられる……そんな環境になりつつあるのではないかなと、感覚的にそう思いました。
現代遊戯王の必須カード5選
現代遊戯王へ復帰を考えている方に、「ほとんどのデッキに投入できる」必須(おすすめ)カードを5枚紹介します。
基本的にどんなデッキにも入れることができる、いわゆる「汎用カード」ばかりです。
これらのカードを入れる・入れない、または「どう対策するか?」を考えることが上達の近道ともいえます。
現代遊戯王を遊ぶ上では避けては通れない5枚を厳選しましたので、ぜひ参考にしてください!
灰流うらら|手札誘発の代表格
属性 炎属性
レベル レベル 3
攻撃力0
守備力1800
アンデット族 / チューナー / 効果
カードテキスト
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:以下のいずれかの効果を含む魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、このカードを手札から捨てて発動できる。その効果を無効にする。
引用元
●デッキからカードを手札に加える効果
●デッキからモンスターを特殊召喚する効果
●デッキからカードを墓地へ送る効果
現代遊戯王において最重要カードの1枚、それが「灰流うらら」です。
効果は、デッキから「手札に加える」「特殊召喚する」「墓地に送る」カードの効果を無効化するというもの。
つまり、相手の初動や展開を止めてくれるカードです。
モンスターながら上記の効果が使われた際には手札から発動が可能となります(相手ターンでも可)。
反応する範囲が非常に広く、これらを止められると動けなくなるデッキも多いため、先攻・後攻であっても手札に握っておきたいカードです。
強力ながら無制限であり、現代遊戯王で戦うにはこれだけのパワーカードが必要だと思い知らされる1枚。
増殖するG|評価を上げ続ける抑止力
属性 地属性
レベル レベル 2
攻撃力500
守備力200
昆虫族 / 効果
カードテキスト
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できず、相手ターンでも発動できる。①:このカードを手札から墓地へ送って発動できる。このターン、以下の効果を適用する。●相手がモンスターの特殊召喚に成功する度に、自分はデッキから1枚ドローする。
引用元
強力な牽制札として働く1枚。
登場してからしばらく経ちますが、その評価を上げ続けています。
効果はシンプルで、「相手がモンスターを特殊召喚するたびに自分はカードをドローする」というもの。
現代遊戯王において、ほとんどのデッキが特殊召喚を行います。モンスター主体のデッキであれば数えきれないほどの特殊召喚を行うことも珍しくありません。
先攻1ターン目でこのカードを使われた場合、展開は最小限に抑えるか、特殊召喚を1回もせずにターンを渡す……もしくは、最後まで突っ張って相手に大量のドローを許すかの選択に迫られます。
遊戯王に限らずカードゲームで「相手に大量の手札を与えてしまう」ことは、そのまま「自身の敗北」に直結するため慎重にならざるを得ません。
「カードをデッキから手札に加える」効果であるため、上述した「灰流うらら」で止めることも可能です。
「増殖するG」とそれを止めることも出来る「灰流うらら」と、この2枚はどんなデッキであっても複数枚投入する価値はあるでしょう。
墓穴の指名者|どんなデッキにも刺さる墓地除外
速攻魔法
①:相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する。次のターンの終了時まで、この効果で除外したモンスター及びそのモンスターと元々のカード名が同じモンスターの効果は無効化される。
引用元
準制限の速攻魔法カード。
効果は、「相手の墓地のモンスターを除外し、そのモンスター効果を無効にする」というもの。
ここまでに紹介した「灰流うらら」や「増殖するG」も発動すると墓地に行くため、このカードで除外すれば効果は無効化されてしまいます。
うららやGへの対策札として積むこともありますが、墓地で効果を発動させるモンスターは多く、どのようなデッキにも柔軟に採用できるカードです。
ただし、相手のうららやGを除外しターンが渡ってきた場合、自分もそのターン中は効果を使えない点は注意しましょう。
抹殺の指名者|全ての汎用カードに化ける速攻魔法
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。①:カード名を1つ宣言して発動できる。宣言したカード1枚をデッキから除外する。ターン終了時まで、この効果で除外したカード及びそのカードと元々のカード名が同じカードの効果は無効化される。
引用元
制限カードに指定されている速攻魔法。
効果は「デッキからカードを1枚除外し、そのターン中、除外した同名カードの効果を無効化する」というもの。
全てのカード効果を止められる強力な1枚です。
「抹殺の指名者」は、自分のデッキに入っていればここまで紹介した「灰流うらら」「増殖するG」「墓穴の指名者」全ての効果を無効化できます。
場・墓地・手札あらゆる場面での効果発動に対応し、モンスター・魔法・罠と種類を問わず無効化できる点はとても優秀。
汎用カード対策としてこれ以上ない効果を持ち、ミラーマッチなどで真価を発揮するカードでもあります。
無限泡影|手札から発動できる強力罠
通常罠
自分フィールドにカードが存在しない場合、このカードの発動は手札からもできる。①:相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。セットされていたこのカードを発動した場合、さらにこのターン、このカードと同じ縦列の他の魔法・罠カードの効果は無効化される。
引用元
手札から発動可能な汎用罠カード。
「無限泡影」は、自分の場にカードが無ければ、手札から直接発動できます。つまり、後攻でこのカードを引いていた場合、そのまま相手ターンに発動が可能ということです。
伏せて発動した場合はさらに効果が追加され、発動した縦列の魔法・罠ゾーンの効果が無効化されます。
先攻相手ターンに発動できるカードの中では対策しづらい1枚で、「抹殺の指名者」くらいでしか防げません。
まとめ|まずは現代遊戯王を知ってみよう!
以上で「現代遊戯王に復帰したデュエリスト」による現代遊戯王の紹介を終わります。
やれることが増え展開の楽しさが増した分、デュエルの高速化が進み1ターンで決着が付くほどのインフレ化した……というのが正直な感想です。
強いテーマも続々と出てきており、環境によっては一強時代を築くことも珍しくありません。
そういった強いテーマを使って現代遊戯王を学ぶのも良いでしょうし、好きだったテーマを強化してデュエルするのも楽しいはずです。
つまらなさより、楽しめる要素が多い。
それが、復帰勢である筆者の感想です!
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